赤ワインのアウトドア日記

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映画『エヴェレスト 神々の山嶺』岡田准一、阿部寛の撮影秘話。夢枕獏先生らが語る!

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赤ワインです。

3月12日に公開される映画『エヴェレスト 神々の山嶺』。

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原作は夢枕獏先生の『神々の山嶺』(かみがみのいただき)ですが、僕はこの作品の大ファン。極限に挑むクライマーの心境の描写と、サスペンス感あふれる展開が魅力の作品です。

映画では天才クライマー羽生役を阿部寛さん、彼を追う山岳カメラマン深町役を岡田准一さんと、どちらもハマリ役。この2人がエヴェレストでガチンコ撮影…となれば、映画が楽しみにならないわけがありません。

この映画の公開を記念して、夢枕獏先生、平山監督、井上プロデューサーが映画撮影の裏側を語るトークショーが行われるということで、僕も参加してきました。

そのトークショーで明らかになった撮影秘話の一部をご紹介します。

不可能と言われた映画化を体当たりで…

夢枕獏先生は、子どもの頃から登山をしていて、山に関する作品をずっと書きたいと思っていたそうです。
丹沢から始めて、北アルプスに行き、エヴェレストへと目を向ける中で『神々の山嶺』の着想が生まれたものの、作品が完成するまでは十数年を要したんだとか。
この本を書き終わった後は、「薪を燃やし切った感があった」と話していました。
読者の方もそれだけのエネルギーを感じてしまう作品です。

実は今まで国内、海外から映画化のオファーは幾度もあったものの、映画化は不可能と言われていた作品。
今回の映画制作陣には、「実際にエヴェレストで撮影できなければ映画化の意味がない」という考えがあったそうで、ベースキャンプまで下見に行き、実現可能性を吟味したうえで、撮影に臨みました。

撮影はエヴェレストの標高5200メートルで行われたんですが、実はこれは邦画史上初のこと。
ちなみに、先日ハリウッドの超大作『エベレスト3D』が公開になりましたが、こちらは10倍くらいの予算があるそうで、そうなるといろいろな最新技術も使うことが可能。
それに対して、この『エヴェレスト 神々の山嶺』は、裸で体当たりすることで生まれた作品だと話されていました。

エヴェレストでの撮影秘話

標高5200メートルの撮影地までは何日もかけて歩いていくそうです。

もちろんその間、ずっとお風呂も入れないわけで、獏先生は「あんなにお風呂に入っていた役者さんがね…お風呂も入らずにがんばってくれました」と笑いを誘っていました。

阿部さんはインタビューで「自分の足で登る道中が役作りになった」と語っていますし、山岳カメラマン役の岡田准一さんは、自分のカメラを持ってきていて、登りながらも阿部さんをずっと撮影していたんだとか。
そんな経験があったからか映画では二人とも本物の山屋にしか見えません。

高所での撮影となると心配なのが高山病。僕も富士登山では高山病を経験しています。
ところが、役者、スタッフを含めて高山病のひどい症状になった人はいなかったそうです。そんな中で唯一高山病で下山することになったのが、伝説のシェルパのアン・ツェリン役だった山岳民族の人だったというのも面白いエピソードでした…。
特に女優の尾野真千子さんは、高所だというのを感じさせないくらい普通に過ごしていたそうで、荷物を運ぶための毛長牛ヤクのフンを燃料に使うのですが、ヤクのフンを拾いに行ったりもしていたそうです。

ちなみに、移動中や撮影地では現地のスタッフが料理を作ってくれるそうですが、全てネパール風味でだんだん飽きてくるそう。
そこで、獏先生が撮影現場にお蕎麦を差し入れするために蕎麦職人を連れて行ったというからビックリ。
網走の氷の上で一緒にワカサギを釣って、その場で蕎麦を打つ人だからエヴェレストでも大丈夫だろう…と。
5200メートル近い撮影現場では、80度以下でお湯が沸いてしまうため、圧力鍋で茹でたそうですよ。
エヴェレストのベースキャンプで蕎麦を打ったのはおそらく史上初ではないかと…。

全カット本人!渾身の演技は見もの!

そんな過酷な中での撮影だったそうですが、驚くことになんと全カット本人なんだとか!!

アイスクライミングのシーンなどもあるのですが、もちろんこれも岡田さん、阿部さんが演じていて、指導をした日本のトップクライマーが見ても登り方が見事なんだそうです。

背負っているザックも実際に20キロくらいあるそうで、軽く見えてしまう時には現場で石を足したりもして、時には40キロ近くを背負っていたんだとか。
少し動いただけですぐに息が切れてしまうような場所でですよ。

それだけ体当たりで撮影した作品だけに、撮影スタッフも「虚と実、芝居なのか本人なのかが分からないくらい」だったそうです。
試写で見た人が感想として「まるでドキュメント映画のような印象を受けるほど」と語っていたのもそういうことでしょう。
夢枕獏先生も映画をすでに2回見ていて、泣けたそうです。

また、震災前のカトマンズの街並みが見られる貴重な映画にもなっています。

3月12日の公開が楽しみですね。

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