赤ワインです。
深海にいる巨大ダンゴ虫「オオグソクムシ」を…
食べてきました!
え?!食べられるの?!
そもそも事の始まりは…
FMヨコハマのアウトドア番組「ザバーン」の企画で、
「東京海底谷で古代魚や希少種、さらには新種の魚を釣ろう!」
とチャレンジしている「深海バスターズ」。
東京海底谷で、深海ザメを狙って釣りをしている人はほとんどいないので、
どんな場所を狙うといいのか?どんなエサがいいのか?
…など、釣り方に関するセオリーはまだありません。
深海がどんな世界なのか、そこで暮らす生き物はどんな生態なのか、
自分たちで考えて試行錯誤している状態です。
なので、普段から深海に関する本を読んだり、JAMSTECを見学に行ったり…
深海に関することにはアンテナを張って、勉強しています。
そんな僕に、ザバーンのリスナーさんのサトシさんが
こんなイベントがありますよ!と教えてくれました。
『オオグソクムシが試食できる!いじれる触れる。ヨコハマおもしろ水族館の「深海祭り」がはじまるぞ!』
え?「いじれる触れる」は分かるけど、「試食できる」!?
オオグソクムシとは…
鳥羽水族館5年以上の絶食記録を残して死んだことで一躍人気者になった
深海に棲む世界最大のダンゴムシの仲間「ダイオウグソクムシ」の近縁種で、
ダイオウグソクムシを一回り小さくしたような生き物です。
見た目はエイリアンっぽくて、
百歩譲っても、美味しそうには見えません…。
そんなオオグソクムシを試食できるから行ってみてはどうか?!と。
もはやこの情報提供は、「親切」なのか「いじめ」なのか…。
いやいや、とても紳士的なサトシさんのことだから親切心でしょう。
もしかしたら深海ザメが餌にしている…かもしれないオオグソクムシ。
一度食べてみないことには、深海バスターズは名乗れません…(そうなのか?)。
…ということで、意を決して行ってみることにしました!
いざ会場のヨコハマおもしろ水族館へ
会場は、横浜中華街にある「ヨコハマおもしろ水族館」。
この水族館に来たのは初めてですが、
お魚の展示の方法が他の水族館とはちょっと変わっています。
カラフルなシャコの水槽では、なぜか貝殻が可愛くペインティングされていたり…
ヤドカリが「家」を借りていたり…(真ん中のちょっと足が出ているのがヤドカリ)
ブラックライトで体が光るダイオウサソリの特性を生かして、
サソリの模型にまざっている本物のサソリを探すクイズになっていたり…。
(ボタンを押すと水槽にブラックライトが当たって、本物のサソリだけ光る)
「おもしろ水族館」というだけあって、確かに面白い展示になっています。
ちなみに、この水族館の名誉館長をつとめているのが、
焼津で深海漁をしている長兼丸の長谷川久志さん(焼津の深海おじさん)。
そんなこともあって、長谷川さんが漁で採取した深海生物が展示されていたり、
今回のように深海にちなんだイベントも開催されています。
第3回深海祭りへ!
3月29日(土)、30(日)の2日間、
オオグソクムシが試食できるというイベント「第3回深海祭り」が開催されました。
オオグソクムシの試食は11時からで
水族館は10時オープンということなので、
オープン前の朝9時半頃に来たんですが、既にこの行列。
建物の外にまでたくさんの方が並んでいます。
深海ブーム、確実に来てますね!!
そうそう、一人でオオグソクムシを食べても、
盛り上がりに欠けて、なんか「食べ損」な気がしたので、
フェイスブックで一緒に行く人を募集したところ、
としまえんフィッシングエリアで有名なスーパー小学生「たもつ」(写真左)一家が
一緒に来てくれました。
皆、試食の整理券もなんとかゲットすることができましたので、
小学生のたもつから、36才なりたてのぼく赤ワインまで、
皆でオオグソクムシを食べちゃいたいと思います!!!
た、食べる…ぞ!?
…なんて、言ってますが、本当はちょっとドキドキです…。
シャコさえ気持ち悪くて食べられず、
釣りをしていると良く見かけるフナムシも苦手な僕。
ちゃんと食べられるでしょうか?
オオグソクムシにタッチ!
試食タイムまでまだ時間があるので、
まずはオオグソクムシとたわむれます!
なんとオオグソクムシに自由に触れるコーナーがあるのです。
普段は深さ数百メートルの深海にいるオオグソクムシが、
もはや水槽ですらない、水深10cmほどの普通のクーラーボックスの中に、
おもむろに入れられています。
ブクブクのおかげで深海よりも酸素はかなり濃い~状態でご機嫌なのでしょうか?
クーラーの中をイナバウアーのように反り返ってすいすい泳いでいます。
そんなオオグソクムシを捕まえると…
まるでサングラスをかけたような目がイケてます。
顔だけ見るとガンダムのモビルスーツのようにも見えます。
こんな感じで足を動かしたりします。
見ていると「気持ち悪い」と思っていたオオグソクムシが
だんだん可愛くなってくるのが不思議。
最初は、触るのを怖がっていた小学生も、
最後は「可愛い~」と、何度も触っていました。
オオグソクムシの水槽に顔を入れて、
仲間になった気分で眺められる水槽もあります。
たもつが楽しそうに入っているので、僕も入ってみると、
すぐ目の前にいるオオグソクムシと目が合います。
これは、なかなかいい趣向ですね。
また一歩、僕らが目指す深海世界へと近づいた気がします…気がするだけですが。
そうこうしているうちに試食タイムが近づいてきました。
ついにオオグソクムシ実食!
大人気で僕は参加できなかった
長兼丸の長谷川さんのユメザメ解体ショーのあと、
用意されたオオグソクムシが配られました。
一皿頂くと…
身、少なっ!!
これはいったいどこのお肉??
実は、殻のまま香味揚げにして、
半分に切って背中?の部分のお肉をとったものなんです。
この水族館に来るまでは、オオグソクムシなんて気持ち悪い…と思っていましたが、
一緒にたわむれるうちに、不思議と食べるのに抵抗はなくなっていました(笑)
…とはいえ、このエイリアンのような外見、
そして、「口から悪臭を出して身を守る」(と言われている)特性から考えると、
衝撃的な味がする可能性も否定できません。
意を決して、食べてみると…
ふ…
フツー…。
意外にも普通な味です。
ちょっとパサパサとした身で、
焼きすぎて水分が少なくなった白身魚のような感じ?
香味揚げの香りがあるので、臭みは感じません。
美味しいわけではありませんが、食べられないことはないです。
外見が外見なだけに、味の方もエイリアン級を期待…
いや、期待はしていないけど、30%くらいの怖れをもって口に入れたんですが…。
なんともブログで報告するには盛り上がりに欠ける味です(笑)
ちなみに、この後、たまたまお話した女性は、
先着順の整理券が貰えなくてオオグソクムシが食べられなかったので、
「せっかく来たのだから!」と、身をとって残っていた殻を食べたそうです。
その気合いがスゴイ!
ちなみに、僕も殻をかじってみましたが、
具足(ヨロイのこと)という名前がついているだけあって、
エビの殻というか、もうちょっと舌触りの悪い卵の殻のような感じでした。
でも、ぼくが深海ザメだったら、これは食べないなぁ…(笑)
なにはともあれ、「深海」の盛り上がりを感じたイベントでした。
次の機会があればぜひアナタもチャレンジしてみてください!